WarCry.comインタビュー: Lord British Interview Part 1: プレイヤー製クラフトアイテムの循環について

WarCry.comにロードブリティッシュのロングインタビュー記事が掲載されています。
課金モデルの新情報や、戦闘システム仕様についての新しい情報にも言及されています。
http://www.warcry.com/news/view/129454-Lord-British-Interview-Part-1-How-Shroud-of-the-Avatar-Gives-History-to-Player-Made-Items

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Original Article by Jon Prosperi | 12 November 2013 2:00 am

私は今回、リチャード・ギャリオットにインタビューする機会に恵まれました。
彼はウルティマシリーズのデザイナーとして伝説的な人物であり、そのほか幾多ものロールプレイングゲームやソーシャルゲームに関わってきました。
今年3月に開始したKickstarterプロジェクトでゲームの開発資金の調達に成功し、新作である"Shroud of the Avatar"を現在鋭意制作中です。
今回のインタビューでは、公開されているSix-month progress updateのムービーよりさらにゲームの詳細に迫ります。

まずSotAとはどんなゲームになるのでしょう?

RG:
SotAは私の代表作である、Ultimaシリーズの精神的後継となるRPGです。
UOよりもストーリー面が大幅に強化され、さらにTabula Rasaの"Control Points"のようなゲームコンテンツも継承するでしょう。
長年のゲーム開発で培ったノウハウと、暖めてきたゲームデザインのアイデアの全てをSotAのプロジェクトに投入する。現在のテクノロジーを使ってね。


SotAではプレイヤーがクラフトしたアイテムがゲーム世界の中でずっと流通し続ける、というお話を伺いました。非常に興味深いですね。
クラフトに必要な初歩的なアイテムの類を除けば、SotAの世界のほとんどのアイテムが、誰かがクラフトしたものであったり、先の持ち主が愛用していた品だったりするとか。
そして、ダンジョンで見つかるアイテムでさえもそうだと。

RG:
ゲーム経済においてアイテムの消滅による"価値の処理"はバランスをとる為には重要な要素だ。しかし、その一方であるアイテムの消滅は今まで誰が作り誰が、手にし、どういう風に使われたか、といった"そのアイテムの歴史"も一緒に葬ってしまう。
誰かがある剣を使ってオークを100体倒したことがあったとしよう。
すると、その剣には"オーク殺し"のタグがつくようになる。
今までその剣がどういう風に使われてきたのか、というデータがタグとして剣に付加されるようになるんだ。
そんな由緒ある剣をわざわざ破壊してしまう必要があるだろうか?その剣をそのままゲーム世界の流通にもう一度のせられないだろうか?
私は手に入れた剣の元の持ち主や制作者を探しに出かけられるようなゲームデザインを目指しています。


SotAのマルチプレイヤーシステムについても伺ってみましょう。
現行のMMORPGでは数あるゲームサーバからプレイヤーが居住するサーバを決めて、そこでゲームプレイを始めますが、SotAではゲームサーバは世界で一つしかありません。
そのマスターサーバーの下にはミニ・シャードがいくつも作られており、プレイヤーの入退室に合わせて生成・消滅を繰り返しています。
全てのミニ・シャード間でプレイヤーハウスやショップの情報が共有されていますが、プレイヤー同士が実際にコミュニケート出来るのは一時的に生成されているミニ・シャードの中だけです。
自動生成されたミニ・シャードの中にどういったプレイヤーのメンツが揃うかは、主にフレンド・グラフによって決定されます。

RG:
"フレンド・グラフ"のシステムでは、あるプレイヤーをフレンドとして指定すればそのプレイヤーの表示優先度は永久的に高くなる。また、"フレンドのフレンド"のプレイヤーも優先順位が高くなる。
だからもし、知り合いのプレイヤー達とオフラインで会うことになっても、彼ら全員の間には緩やかな関連性が存在することになる。
またプレイヤー同士の交流において、システムによって意図的に協力的な関係にさせたり、敵対的な関係を作り出したりすることがあります。
例えば、ストーリーベースのPvPシステムにおいて、あるプレイヤーが禁制の品をこっそり街へと持ち込むミッションが発生したとします。
その時、どのプレイヤーが敵として、あるいは味方として配置されるかはフレンド・グラフの優先度によって決まってくるのです。
さらにこの時、偶然敵として配置されたプレイヤーが初対面の者であった場合、フレンド・グラフのシステムは自動的に彼を敵として扱うようになります。
その後の別のストーリーベースのPvPクエストでも、彼が敵役として配置される可能性が高くなるのです。
このフレンド・グラフのシステムでは、あるプレイヤー同士が初めて会った時の条件によって、その後のプレイヤー同士の関係性を決定することがあるのです。


SotAのマルチプレイヤーシステムは、MMORPGプレイヤーだけでなく、ソロプレイヤーをもサポートしています。
ソロプレイでは当然他のプレイヤーの姿はありません。
しかし、ソロプレイ中であってもゲーム世界での他のプレイヤーの家やプレイヤーが経営しているショップなどは、マルチプレイ時とまったく同じ状態でリンクしています。

RG:
SotAはソロプレイも可能。しかも、マルチプレイ時と同じようにマスターサーバー内にある自分の家や庭を楽しむことも出来るし、お金を稼ぐことだって出来る。
世界の中の他のNPCもちゃんと生活しているけれど、その世界(ミニ・シャード内)のプレイヤーは自分ひとりだけ。
それがシングルプレイ・オンラインモードです。
SotAはオンライン要素を必要としないシングルプレイRPGを望むプレイヤーの為に完全オフラインのソロプレイも用意していますが、そういったソロ志向のプレイヤーも、他のプレイヤーと直接顔を合わせることのないシングルプレイ・オンラインモードなら抵抗なくオンラインへと参加してもらえると思います。
シングルプレイ・オンラインモードは、そのプレイフィールはシングルプレイそのものでありながら、オンライン要素のメリットも享受出来るデザインになっているのです。

SotAは現行のMMORPGのスタイルとは一線を画し、箱庭スタイルのゲームを志向しています。
現行のゲームでは、重要なクエストの情報はすべてクエストログに表示されるようになっていますが、SotAでは古き良きRPGのシステムの復権を目指しています。

RG:
ゲームシステムのシンプル化・簡略化の行き着く先は、ただ矢印に従って動き、そしてボタンを押すだけの脳死作業に他ならない。
SotAではクエストログというものが無いのです。
もちろんマップ上に行き先を示してくれる親切な矢印といったものも表示しない。
それどころか、会話メニューさえも存在しない。
SotAのNPCとの会話システムは、他のプレイヤーと接する時と同じように、自由に文章(英単語)を打ち込んで会話を進めることが出来るのです。

SotAの会話システムはゲーム開発における技術革新というだけでなく、ゲームデザインの面にも革新をもたらすでしょう。
システム上、SotAのNPCは全てのPCとの会話内容をトラッキングしています。
あるNPCが知らない話題について質問されてもその話題に答えることはできませんが、その様子を監視している開発チームがその話題に反応出来るように随時NPCの知識量をアップデートしていきます。
例えば、あるバーの看板に"チキン料理が自慢"といった宣伝文句がある場合、その店のバーテンダーは"チキン"についての話題の引き出しをもっていなくてはなりませんよね。


SotAの戦闘ではプレイヤーの注意力が重要な要素になります。
しかしそれは剣や魔法に対しての注意ではなりません。
リチャードによれば、今作の戦闘システムは既存のゲームのものとは一線を画すものになると、興奮して話してくれました。
彼の手がけたMMORPG、Tabula Rasaから戦闘システムを借り受けつつ、PCやNPCキャラクターが自身の判断によって戦闘に介入出来る要素を取り入れようとしています。
また、さらに全く新しい要素も取り入れる予定です。
それはプレイヤーにある戦法をとらざるを得ないように強制したり、ダメージ効率のみを追い求めるようなものではありません。

RG:
ターンベースのカードゲームの戦闘からインスピレーションを得たんだ。
たとえば、一度か二度練習しただけの動作を、いざ本番の状況の中でやろうとしても、いきなりは上手くは出来ないだろう。
イラク戦争に赴く兵士達は、実際に現地へいくまでに砂漠の条件下での訓練を何度も何度も繰り返した。実戦に投入された時に、訓練通りスムーズに動けるようにね。
この訓練の習熟度の概念を各スキルのレベルに相当するように反映したんだ。
つまり、スキルポイントを多く投入したスキルは戦闘中に発動しやすくなる。
スキルは"デッキ"の中に収められて、プレイヤーが任意にそれを発動することが出来る。
スキルポイントを多く割り振ったスキルは、デッキの中にスタックしやすくなるというわけだ。
だから、プレイヤーは戦闘の様子をただ見ているだけでなく、その状況(デッキの中のスキルスタックの状態)の把握に努めなくてはならない。
しかしながら、この戦闘仕様はまだ仮のものなので、まだまだプレイヤー達からのフィードバックが必要だと思っています。


SotAの収益モデルはハイブリッドなものになるそうですね。

RG:
ゲームパッケージ自体は$40のフルプライスで販売しますが、同時にいくつかの課金コンテンツも導入します。
また、デモ版のような位置づけになるフリー版のリリースも考えていますよ。
高額出資者の方はゲーム内の土地が出資特典として与えられますが、それ以外の方はもしかすると土地の維持にコストが掛かるかもしれません。
月額$5か、もしくは別の手段での支払いか…まだ決まってはいませんね。


リチャードはゲーム内のコンテンツへの課金には抵抗が無いようです。

RG:
ゲーム内でのパワーをリアルマネーで切り売りするつもりはない。
だが、あなたがこのゲームのプレイヤーであるならば、我々になんらかのサポートをして欲しいと思っています。
我々は無課金者に対して何らかの制限を加えるつもりです、例えばインベントリに上限を設けるとかね。
この制限は月額$5-10程度で解除することが出来る他、ゲーム内の通貨でもその支払いが出来るようにするつもりです。


コミック・コンでのインタビューでは、年末までにはアルファバージョンをプレイヤーの手元に届けたいと発言しており、また実際にそのスケジュールが発表されています。
現在製品版のリリースは2014年の秋を予定しています。
予定通りにリリースできれば、SotAの実質開発期間は一年半ということになるでしょう。
SotAのデベロッパーチームは今後もゲームの開発状況や新要素などの情報を、積極的にコミュニティに公開し続けていくつもりです。

SotAは将来性のあるプロジェクトです。
今回のインタビューで、SotAの開発の方向性を再確認することが出来ました。
12月に予定されているアルファテストをSotAの出資者やファンは楽しみにしていることでしょう。
WarCry.comでは今後もインタビューのパート2、パート3の公開を予定しています。
そこでは現行のMMO業界の現状と、今後のゲームデザインの在り方についてロード・ブリティッシュと議論していくことにします。

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