SotAについて、何か他に特筆すべきところはありますか?
このゲームの開発期間は18ヶ月間を予定しています。
現時点で残りの時間は12ヶ月間ということになりますね。
これは、プレイヤーからの要望を汲み取るには十分な時間だと思っています。
また、プレイヤーからは出資金が目標額に達した後も何故まだ出資を募集しつづけているのかという疑問が出ているようですが、このタイトルの開発にはまだまだお金が必要なのです。
あともう100万ドルは欲しいと思っています。
もちろんパブリッシャーからお金を融通してもらうという方法もありますが、我々はその選択はまずしないでしょう。
しかし、戦略的パートナーとして協力という形でなら視野に入っています、
我々に出資して頂いた皆さんには、本当に多大な協力を頂いています。
出資だけなく、アート、デザイン、サウンドの提供など、多くの分野で製作に助力してもらっていますよ。
Scene Jamの企画は上手くいっていますか?
(ユーザーが出されたお題にそってゲームシーンを製作するコンテスト)
ええ、素晴らしい企画になりました。
我々もユニティ・アセットストアのゲーム素材を開発に投入しています。
地形や樹木などの8割は、アセットストアで購入したものを使用しているんですよ。
しかし、アセットストアのゲーム素材の木は真っ直ぐな幹のものばかりで、カシの木のような曲がった幹のものは無かったのです。
残念ですが、これは自作することにしました。
我々は汎用的なゲーム素材はなるべくアセットストアで都合しようと思っていたんです。
しかし、中世ファンタジーのゲーム用素材となると非常に数が少ないことがわかりました。
そこでコミュニティに協力を募ったんですね。
我々はタルやイスといった汎用的な素材を必要としていましたが、アセットストアにあるものは解像度が足りなかったり、カートゥーン色が強いものであったりして、なかなか理想に近いものが見つかりませんでした。
しかし、コミュニティのユーザーはそういった必要なゲーム素材を作成し、我々に融通してくれたのです。
アセットストアで提供されているキャラクターやクリーチャーといったモデル、とくにクリーチャーのカテゴリには生物のモデルがたくさんありました。
しかし、我々のチームはそのクオリティには満足することが出来なかったんです。
そこで我々は、そのモデルを一から作り上げる手間は掛けずに、アセットストアで販売されているモデルに改造を加えるという手法を採りました。
そして我々が改造を施したモデルの版権は無償で元のクリエイターに譲ります。
ですから、我々が作った鹿のモデルが他のゲームで登場することもあるでしょうね。
要求するクオリティを9割方満たした鹿のモデルに、我々が改造を加えて100%満足のいくモデルを作り上げたとします。
モデルの元の作者が、我々が改造を施したモデルをゲームに使いたい、と思ったなら、すぐに喜んで提供します。
改造を施したモデルをアセットストアで販売したい?もちろんOKです。
元々はあなたが作ってくれたモデルなのですからね。
これは我々の出来る、コミュニティの協力に対してのお礼だと思っています。
ダンジョン製作キットにも同じことが言えます。
アセットストアで販売されているデキのいい壁や通路のパーツセットを、我々のゲーム製作に投入してみるとどこかしら不満点が出てきます。
時には一揃いのパーツのあるべき一部分が欠けていたりすることさえあるかもしれません。
そういったアセットの欠けた部分を我々が埋め合わせ、そして元のクリエイターにその権利を譲ります。
そうすれば、より完全なパーツセットをユニティのコミュニティに還元することが出来ます。
我々はユニティのコミュニティから膨大な恩恵を受けているのですから、それに対して還元出来ることがあるならば、そうするのは当然だと我々開発チームはと考えています。
最後になりますが、世界中のユーザーから様々なアート(ゲーム素材等)を提供してもらっています。これらのアートを元にして、我々は様々なゲームシーンの着想を得たいと考えているのです。
もっとコミュニティからゲームリソースを提供してもらえるよう、何かアイデアがありますか?
ええ、色々と。
クオリティの高いゲーム素材の提供があれば、我々はその最初の購入者となるでしょう。
我々が購入した後は、アセットストアでそのゲーム素材を販売してもらっても結構です。
ダンジョン向けのゲーム素材のコンテストを開催して、優秀な作品の作者には賞金を出したり、アカウントの出資レベルを一段階アップさせたりといった報奨のアイデアもあります。
今は音楽製作についてもクラウドソーシングを計画しています。
すでに我々に素晴らしいオーディオ素材を提供してくれたミュージシャン達もいるのですが、彼らは提供の報酬に関しては何も要求しませんでした。
彼らにはぜひ報奨を受け取ってほしいのですが、製作に当たって楽しい時間が過ごせたし、いい曲も作ることが出来たから、と何も受け取ることはしませんでした。
しかしながら、何らかの形でその貢献に報いることをしたいと考えています。
私はクラウドソーシングを通して、在野にこんな素晴らしいクリエイター達が存在していることを知るとともに、彼らと一緒に仕事を出来るということに感動しています。
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