ワールドマップデザインの再変更のお知らせ


先日、エクゼクティブプロデューサーのスター・ロン氏がワールドマップデザインの再変更について投稿しました。
https://www.shroudoftheavatar.com/forum/index.php?threads/navigation-through-new-britannia.10474/

以下、その概要を私的に解釈してお伝えします。

現在ワールドマップのデザインはプロトタイプ発表時のフル3Dから、布マップのような質感のものに変更されています。
この変更にはコミュニティからの反発が多かったようで、開発スタッフ側は従来のフル3Dのワールドマップデザインへと再び方針を変更することになったようです。

当初のプロトタイプの3Dワールドマップ(参考: 3 Month Demo 0:54~)は、どうグラフィックを取り繕っても"窮屈"で"不自然な"感じを払拭することができず、この仕様ではShroud of the Avatar目指すグラフィッククオリティを満たすことはできないと判断され不採用となった、と説明されています。
また、3Dマップ上に配置したオブジェクトはゲーム中の3Dモデルをそのまま縮小したものを用いているので、これもまた不自然さを作り出す一因になっていたと、と失敗の原因を挙げています。

布マップのデザインがR4・R5で採用されたいきさつにも触れられています。

1. 当初の3Dワールドマップデザインのプログラマが退社してしまったこと(円満退社によるもの)
2. マップデザインの仕事がテックディレクターのクリスに振り当てられたが、クリスは他にも仕事を抱えすぎていた
3. そこで別のスタッフにワールドマップデザインを任せたところ、リードアートディレクターのステファンとの共作という形で布マップのデザインが完成した(R4)
4. 布マップのワールドマップは急ごしらえのデザインであったものの、デザイン的に優れていたものなので拡張し採用することにした(R5)


しかし、この布マップのデザインはコミュニティからは反発されてしまいます。
開発スタッフは再びプロトタイプデザインを洗練する方向に舵を切り、その理想の形の条件を提示しています。

・フル3Dで構成されたマップをズームアウトした視点で俯瞰するスタイル
・3Dのアバタールモデルはアニメーションし、ワールドマップを歩き回ることができる
・3DのNPCも同様にアニメーションする
・ワールドマップ上には放浪しているエンカウンターが存在し、それに接触するとそのヘックスのシーンへと引き込まれる
・サプライズエンカウンターに突然シーンへと引き込まれることもある
・ワールドマップ画面から街がモンスターの軍勢の襲撃を受けているかどうか確認したり、PVPエンカウンターが存在するかどうか確認することができる
・ワールドマップ上では進行中の地形によって移動速度が変化する
・パーティメンバーはワールドマップ上でその挙動を確認可能。誰がどのヘックスへ進入しているかも分かる。
・まだ踏破していないエリアの状態はワールドマップ上から確認することはできない(霧などの演出で見えない)
・資源採集と戦闘はワールドマップ上では行えない
・努力目標としてエピソード1では騎乗動物や乗り物の実装を検討している

開発側の短期・長期的な達成目標も発表されています。

■短期目標
・ワールドマップの地形を作成するツールを調達する。UNITYデフォルトの地形ツールは、普通の人間のスケールでの地形を作ることに特化しているので、目指すデザインには適していない。
・ワールドマップのグラフィックデザインを作成すること。アバタール、生物、樹木、地形、雲などのオブジェクトが含まれる。


■長期目標
・新しいワールドマップ用の道順検索(パスファインディング)プログラムの作成
・エンカウントシステムの開発
・街の状態など、ワールドマップ上からそのエリアの状況を把握できるシステムの開発


最後にスター・ロン曰く、
新しいワールドマップデザインをリリース6までに導入したいが、スケジュール的にほぼR7にズレ込むことになるだろう。
プレイヤー達のフィードバックには大変感謝し、今回の方針変更をさらなる飛躍の機会と受け止めている。
これからも仕様の路線変更といったことは何度も起こると思っているが、開発の段階でユーザーの意見をくみ取った結果であり、共に目指すゲーム開発を実現する過程としていけることに感謝している。
また、ユーザーの忍耐にも感謝します。
(Thank you for your patience while we iterate and experiment with systems like this.)
とのこと。

#個人的にはどちらのアートスタイルも良かったと思っています。
しかし、今回ワールドマップ上に多くのコンテンツを導入するというゲームデザインの方向性が明示されているので、この変更は喜んで受け入れたいですね。

しかしワールドマップ上の敵に接触することでシーンに引き入れられるというデザインは、上手くすればUOのようなスリリングな演出を再現できるかもしれませんが、資源採集に行きたいだけなのに面倒な戦闘にシーンごと引っ張り込まれてしまう、ということにもなりかねません。
ここはまたフォーラムで議論を重ねて仕様を洗練してもらいたいところ。
ワールドマップの仕様は個人的に非常に興味深いトピックなので、今後も定期的に公式フォーラムのスレッドをチェックしていきたいと思います。

ダンジョンから斥候のスケルトンが突如現れて追いかけられたり、その様子を見ていた通りすがりの戦士に助けられる(or 一緒に倒されてしまう)といったネットワークゲームらしい体験を、シンボルエンカウントというクラシカルなシステムを使ってカバーするのは面白い試みかもしれませんね。
正直フィールドのおもしろさがSotAではどうなるか不安だったのですが、今回の指針表明によりすっかり払拭された思いがします。

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