リチャード・ギャリオット インタビュー 1/2
PCゲーム情報サイトROCK, PAPER, SHOTGUN(以下RPS)のリチャード・ギャリオットインタビューの全訳をお届けします。
PART2はこちら
RPS:
ではまず、なぜKickstarterで出資を募ったのですか?あなたは宇宙旅行にも行ったし、お城だって所有しているのでしょう?
道楽趣味のせいでお金が無くなってしまった、とか?
リチャード・ギャリオット(以下RG):
今まで何百万ドルもPortalariumに投資してきたからね。
でも、Shroud of the Avatarのプロジェクトの為には、確固としたファンドが必要だった。
我々は幅広く配給してくれるパブリッシャーと、ダイレクトにプレイヤーに向き合うこと、その両方が必要なんだ。
私の過去の仕事を振り返ってみると、UltimaIV、UltimaVII、そしてUltima Onlineが気に入っている。
これら3作は全て違うパブリッシャーから配給されているが、これらのパブリッシャー達はゲームが完成するまで、何らこちらサポートをすることもなかったし、開発しているゲームについて何も分かっていない様だった。しかし、そのおかげでこちらは好きなようにの開発が出来たし、仕事の仕上がりも満足のいくものになった。
結果、これら3作は象徴的な成功を収めることが出来たんだ。
しかし、ゲームの完成を急かすようなパブリッシャーの下では、ゲームのポテンシャルを引き出し切れず、結果仕上がりは不満足なものでゲームの評価も良くなかった。
(Kickstarterによる出資によって)開発側はプレイヤーとダイレクトに関係を築くことができ、外野の影響に左右されることもなく、さらにプレイヤーはこのゲームの開発の内容をダイレクトに知ることが出来る。
RPS:
OK、ではゲームの内容に移っていきましょう。もし、マルチプレイがやりたくないと思えばすぐにマルチプレイの機能をOFFに出来る。そうですね?
RG:
シングルプレイは可能です。ゲーム全編をソロで通すこともね。
RPS:
もし、シングルプレイをする場合、他のプレイヤーが建てたショップや、建築物の類はどういう扱いになりますか?
RG:
文字通りの完全なオフラインでのシングルプレイの場合は、他のプレイヤーが所有している家などは見えません。NPCキャラクターの所有という扱いになります。
空き屋も沢山ありますが、これらもNPCが所有権をもっていて、その家が欲しいと思えばNPCから買うことが出来ます。
しかしオンラインの場合、もしあなたが他のプレイヤーと一切関わらなかったとしても、ゲーム世界の経済の移り変わりの影響は受けることになります。
ある日、街の中に新しい鍛冶屋が出来るのを目の当たりにすることでしょう。
さらにプレイヤーによる活動の結果としての例があります。
居住コストとしては都市>町>村という風になります。
電気的なフィールドが街を覆っているのをみたことがありますか?あの電気フィールドのドームはその街の安全性をさらに高いものにしているのです。最も居住コストの高いエリアには、多くの人が訪れることになるでしょう。
何故ならそういったエリアには危険が少ないからです。
RPS:
明らかにファンタジーな世界設定のようですが、どういった風になるのですか?Ultima的なものなのか、そしてどういった点がUltimaと異なるのか。
RG:
最初はトールキンのような中世ファンタジーの設定で作り始めました。
そして、それに少しばかりテクノロジーの要素を加えています。
例としては電気の要素があります。しかし、火薬のテクノロジーはこの世界にはありません。銃はこの世界には必要ないですからね。
しかし、わずかながら機械文明的な概念はあり、特にニコラ・テスラからは大きくインスピレーションを得ています。
"Forbidden Planet"(禁断の惑星:米1956)という映画を知ってますか?エイリアンの惑星に降り立った主人公達が、キャンプの周りにエネルギー・フィールドを展開してエイリアンの襲撃を防ぐシーンがあるんです。
ゲーム中の大都市は、風力、水力、地熱といった自然エネルギーの近くに建設されています。それらの自然エネルギーでジェネレーターを稼働させてテスラ・フィールドのような防壁を作り、それを街の住民の安全の為に使うのです。
お金さえあればそういった防壁のある街に住むことが出来、危険に晒される機会を減らすことが可能です。
プレイヤー達にとってみれば、 街の中にいれば電気の便利さに与ることが出来ます、しかしテスラ・タワー(発電塔)から離れるに従って、手回し発電機を使って不足した電力を地力で補う必要が出てくるでしょう。
エネルギーを用いる武器類も存在し、電磁誘導のレイルガンやフォグ・ガン(訳注:有毒ガスなどをまき散らす武器。リアル世界では霧を噴霧する方式の消火器も相当)などがあります。。
スチームパンク、というものが適切な表現かはわかりませんが、今作ではスチーム・パワー的な文明要素を中世の世界に持ち込んでいます。
RPS:
かなり物騒な世界のようですが、戦闘以外のコンテンツについても数多く言及されてきましたよね?シングルプレイでは戦闘無しにゲームを進めることが出来るのでしょうか?
RG:
いい質問です。もし純粋にソロプレイを通すならば、避けられない戦闘は数多くあります。
ただ、他の手段を取ることも出来ます。
このゲームのマップは今後拡張されていくのですが、3×3マスの中央部分、これが最初にリリースされるゲームのパーツになります、2番目の拡張、3番目の拡張、4番目の、5番目の…といった具合に5つのエピソードで構成される予定です。
このマップを見てみると、私たちが歩いてきた場所に2つの町がありますね。
山の尾根が伸びていて、そこの東側にはダンジョンが2つあります。
これら2つのダンジョンは通路になっていて、もう一つの出入り口に移動することが出来るんです。マップの次のエリアに向かうには、どうしてもここを通らねばなりません。
そうすれば、戦闘は避けられない。ソロプレイの場合はどうしても戦闘が必要になります。
しかし、鍛冶屋としてプレイしていて、ダンジョンの通路の向う側でも鍛冶屋としてやっていきたい、と思い立ったとしましょう。
しかし、戦闘の避けられないダンジョンの通路を通らねばならない。
非戦闘用のキャラクタなので、どうしてもパートナーが必要です。鍛冶屋としてプレイする以上、どこかへ行く時にはどうしてもエスコートが必要な場合があるのです。
RPS:
NPCのエスコートキャラクターは存在しますか?
RG:
現段階ではいません。しかし、よい提案だと思います。我々がKickstarterを利用したのは、こういう風に早期からユーザーと交流しながら開発を進めることが出来るからなんですね。
ご存じかどうかわかりませんが、Ultima Onlineを発売した時は、ゲームコンテンツの1/3から半分くらいは、2つの大きな問題のうちどちらか1つを抱えていました。
一つ目は全く調整する時間が取れなかったケース、もう一つは人気のあるコンテンツであるのに作り込みが甘かったケース。
例えば釣りですね。釣りは人気のコンテンツでしたが、魚が釣れる確率はどのような状況でも(スキル値に関係なく)一律50%の仕様だったのです。
また、我々はゲームの世界に生態系の概念を持ち込もうと思っています。
非常に洗練されたものをね。やることは山のようにあります。誰も気付かないような、誰も注意を払わないようなものにでも。でもやるつもりです。何故か。
例えば、私が全く気付かなかったような素晴らしい提案をあなたがし、それが我々のゲームにとって重要なファクターになりえることがある。そういった事柄を早期にプレイヤーが開発に参加することによって引き出して行きたいからです。
RPS:
シングルプレイのストーリーの目的は何になりますか?
RG:
5エピソードの構成になるので、あまり多くは語れません。
しかし、最後のステージに待ち受ける悪役そのものではなく、その悪役がそれまでに何をしてきたか、という点が重要になります。
悪役が悪役でたりえるにはその理由があり、ゲームのストーリーを追っていくごとに、悪役に対峙するヒーローとしての役割にモチベーションを感じるようになっています。
まだ明らかになっていないゲームの世界のどこかにある深い森の中に、プレイヤーに襲いかかる魔物達が存在します。
彼らは何かしら意図をもってプレイヤーに襲いかかります。世界中の街で、時にはプレイヤーのいる街を包囲していることもあります。
それはラスボスの悪役が何かを探している為なのですが、プレイヤーにはただ次々と街を破壊しているようにしか見えません。
まず、その目的を解明することが当初の目的になります。
RPS:
スタイルとしては、その悪役の目的を解明するために、各地を回ってそのヒントを集める形になるのか、リニアなゲーム進行にそってストーリーを追っていく形のどちらになるのでしょうか?
RG:
それはプレイヤー自身の仕事、ということで。
それを他のプレイヤーと協力して進めていくこともできます。我々のゲームのストーリー進行のデザイン的に、プレイヤー間の情報の共有が問題にならないように作っています。
とにかく早くクリアしたい、というプレイヤーには悪役の目的の基本的な部分しか解明されないことになります。
ただ、一人でプレイしたからといって、ゲームストーリーの理解が妨げられる、ということではありません。
この最初のエピソードでは、なぜ悪役がどういった者なのか、その目的はなんなのか、そしてそれに対してあなたは何をすべきか、というのが明らかになります。
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