速報:Shroud of the Avatar DEMO in Rooster Teeth Expo

追記:デモの動画がアップロードされました。
http://youtu.be/nX5npHEDock?t=3h10m


予定通り本日7日、日本時間の午前6:30から45分間程度のSotAデモが行われました。
現在RTXのライブストリームはエラーでダウンしており、その様子を見ることは出来ません。
デモの内容は大きく分けて、

1. スライドを使ったSotAのコンセプトの説明
2. 実際のプレイアブルなゲームデモを使ってのエキシビション
3. 質疑応答

のパートからなっています。

現在ライブの模様を繰り返して見られないので、2.のゲームデモのエキシビションの内容をかいつまんでお伝えします。
記憶頼りに記事を起こしていますので、誤解や勘違いに関しては容赦下さい。




・ワールドマップ







前バージョンから変化が見られます。
ヘックス単位での移動は廃止され自由な移動が可能になり、見下ろし型固定だったワールドマップも自由な視点移動が可能になりました。
ワールドマップ上の街や森などのオブジェクトに自分のキャラクターを重ね、そのエリアマップへと移動(暗転しロード画面に)するのは従来と変わりません。
マップ上には森林のエリアや河川が流れ、街のオプジェクトや街道が点在し、さらにオオカミや鳥の3Dシンボルが動き回っています。オオカミに接近しても画面の切り替わりや戦闘等は発生しませんでしたが、将来的には街道を移動中にシンボルエンカウントによる戦闘が導入されるのでしょうか?
沿岸の向こうには街のオブジェクトがある島が見えます。
その街には以前にも触れられていたテスラタワーのような電磁バリアが展開されており、街を外敵から守っているようです。
全体的な感想としては、ウルティマ1~5やスーパーファミコン時代までのドラゴンクエストのマップ移動にモダンな味付けが加わったような感じといえます。
ウルティマ6以来モノスケールマップ(街やキャラクターが同寸。日本のRPGではMOTHERやヘラクレスの栄光1が採用)のデザインを採用したウルティマシリーズですが、ここに来てデュアルスケールマップというオールドスクールへ回帰したようです。
モノスケール VS デュアルスケールという対立は発表以来フォーラムでも散々議論されてきましたが、ワールドマップのサイズを考慮すれば、モノスケールマップにおいてオブジェクト・イベント内容・プレイヤー密度がスカスカの"何も無い・何も起こらない空間(不人気のダンジョンや大陸の端っこに存在する動物の少ない森等)"の発生は不可避であり、その何も無い空間を満たす為にワークリソースを浪費するよりも、デュアルスケールマップを採用して1エリアのクオリティ(オブジェクト・人口密度)を高めるほうが賢明である、というのが開発陣が見出した方針です。
UOにあった街道でのプレイヤー同士の出会いや、道すがら起こった面白事件などは、今作ではワールドマップでの街道移動中に起こるように設計したのかもしれません。
例えば上記のオオカミが他のプレイヤーに襲いかかっているところに偶然通りがかり、そのプレイヤーを助ける(あるいは見捨てる・オオカミに加勢する)ことが出来るのかも?

・エリアマップ







前回のバージョンと比べてグラフィックに変化が見られます。
プレイヤーキャラクターは風になびくクロークをまとい、全身プレートメイルにロングソードを装備しています。
森のマップでクモと戦うシーンがありましたが、これまでの動画で言及されていたように敵キャラクター頭上のHPバーが存在しません。出血量やくらいモーションで被ダメージや残りHPが推測出来るようなデザインを目指していたはずなのですが、パッと見よく分からなかった、というのが正直な感想です。




3Dグラフィックのクオリティは昨今の3DRPGより2世代くらい前、といったところでしょうか。
従来のシングルプレイヤーゲームと比較すればグラフィックレベルはTES4 Oblivionと同等かやや下、さらに暗めの色彩が基調となっているので、全体的なグラフィックの質感はGothic3にかなり近いと感じました。
しかし、現在のバージョンはプレアルファにも満たないプレイアブルデモなのでグラフィックレベルについては参考程度に留めて置くのが賢明でしょう。

・ユーザーインターフェース

ユーザーインターフェースについては、これはかなりUOのものに近い、というかそのものと言い切ってしまっていいでしょう。
メインのゲーム画面は3Dですが、インベントリ(バックパック)やペーパードールはUOライクな2D表示で、さらにそのデザインもUOのものを踏襲した形になっています。

おなじみのペーパードール画面では、装備スロットの数が確認出来ます。
スロット数は全部で12。今回のデモでは、頭。肩、腕、手、胴、具足の6箇所がアーマーで占められています。残りは右手武器の剣、指輪、クロークが占有しています。
空いた3スロットは、盾等の左手、もう片方の指輪、首防具のゴルゲットに相当するのでしょうか?
下部にはプレイヤーネーム、LV、EXPポイント、ヒットポイント・マナポイント、STR/DEX/INTの各種パラメータに、バックパックのホットキーと思われるスロットが6つ並んでいます。
UOではLVと経験値の概念はありませんでしたが、今作ではスキルシステムと合わせてキャラクターメイキングが為されるようです。

画面上の表示も非常にミニマムな仕様で、画面の一番下にHPとMPを示すバーが細長く伸びているだけで、バックパックやペーパードールにアクセスするにはショートカットキーか、画面上部にメニューアイコンのランチャーを表示させてクリックする、という形になっています。
アイコンランチャーも上部両隅から目立たないように表示され、数秒間アクセスが無いとまたひっそりと消えていきます。
昨今のMMORPGにありがちな騒がしいチャットウインドウや、イベントログ(~を10個手に入れた、~に30ポイントのダメージを与えた等の表示)も存在しません。
ゲームプレイに必要な情報はゲーム画面から視覚を通じて直感的に取得出来るように、というのが今作の目指すミニマム・ユーザーインターフェースなのかもしれません。
私見ですが、UIに関しては"ああ、よかった(UOと全然変わってなくて)"と安心しました。

・クラフト

 




ゲームデモでは木のイスを作る一連の工程が披露されました。まずワールドマップで森がある場所へ移動し、さらにその森のエリアマップへと入っていきます。
プレイヤーキャラクターが木が生えている場所に近づき、オノを使用すると、プレイヤーキャラクターがオノを持ち木に向かってスイングします。
ミニゲーム的な要素は一切なく、オノのスイングも一回だけです。
そのマップ上の木には切れ込みが入り、自動的に得られた木材がバックパック内に移動します。
何度か木にオノを入れると、ついに木が切り倒され木材を取得出来なくなります。
これもUOのランバージャッキングと本質的に何ら変わるところはありません。


木材を調達した後、イスをクラフトするために街へと戻るのですが、その際画面上部のメニューからワンボタンでワールドマップへと脱出することが出来るようです。
日本のゲームで言えば、ロマンシングサガのXボタンで街から出られるような機能でしょうか。
おそらく地上マップ限定で、ダンジョンの地下階層などからは使用不可能だと思われます。

街の入り口に立ってみると、右手見えるテスラタワーからエネルギーのようなものが放出されているのが分かります。
街はワールドマップのシンボルでも分かるように、村サイズの慎ましいもので、実際のエリアマップに入ってみても地方の平和な村、といった印象を受けます。
村人の付近を通りがかるとNPC同士で会話しているのが聞こえてくるのですが、キャラクター上部にマンガ風の吹き出しが表示されるUIが採用されていて、ここもUOライクなデザインをモダンに踏襲しているようです。





民家の敷地にはクラフト・ステーションが設置してあり、そこでクラフト作業を行うことになります。
まず、クラフトステーションにアクセスすると2D化されたノコ引き台のインターフェースが登場し、その上に先ほど手に入れた木をドラッグアンドドロップでノコ引き台のインターフェースへ移動させます。
ノコ引き台のインターフェース下部にある"CRAFT"ボタンを押すと木が木材へと変わり、さらにボタンを押すとより小さな木材へと加工されていきます。
加工は一瞬で、ノコ引きのサウンドとともに木が木材へと変わります。
しつこいようですが、これまた安心なUOライク。




次にその木材もって、別のクラフトステーションにアクセスします。
こんどは大工机のような2Dインターフェースが現れ、同じ要領で加工した木材を台に並べ、"CRAFT"ボタンを押すと、トンテンカントンという効果音とともに材料が消費され、作業台の上に完成した木のイスが出現します。これをドラッグアンドドロップでバックパックにいれて作業は終了。

クラフトの手順は

・材料の入手 
・材料の加工 (材料を台にのせ、CRAFTボタンをクリック)
・加工された材料を組合わせる(加工材料を台にのせ、CRAFTボタンをクリック)

これら共通のインターフェースで統一され、非常にシンプルなものになりそうです。




そして近くの民家(自宅)に入り木のイスを設置します。
外観は小さめの家ですが、1F・2F・屋上という構成になっており総面積はかなり広い印象を受けました。
イスは家のどこでも自由に設置することが出来、もちろん座ることも可能です。

・会話について






クラフトの説明を終えた後、プレイヤーキャラクターは酒場へと向かいます。
カウンターには店主がおり、プレイヤーが話しかけようとするのですが、その際に"街のウワサを聞く"とか"ビールを飲む"などといった、"選択肢"というものが表示されません。
テキストボックスが表示され、大昔のアドベンチャーゲームのようにこちらが全て手動で単語や文章を打ち込む形式になっているのです。

記憶があまり定かではありませんが、以下のような会話の流れがあったと思います。

・プレイヤーから挨拶し、自分の名前を打ち込む。"I'm Chris"等
・NPCがプレイヤーの名前を学習し、相づちの際にChris、と呼んでくれるようになる。
・プレイヤーが"さっき木の椅子を拵えてね。疲れたよ。"と言う。
・おそらく"椅子"(Chair)の単語に反応して、店主がそういえば北のダンジョンには骨の椅子があるってウワサがあってね、と返事を返す
・プレイヤーが骨の椅子について尋ねる。
・ダンジョンの主、リッチキングが座っているそうだよ、と店主が答える
・酒場を出てプレイヤーキャラクターが北のダンジョンに向かう

今回の会話のシーンで重要なポイントは、古風な単語ベースのNPCの応答システムと、キャラクターの名前や街のウワサといったサブジェクトの学習システムです。
今までのハングアウトでも触れられたとおり、NPCのもつ会話レスポンスはこちらが単語を手動で入力して引き出さなければなりません。
例えばNPCの名前や出身を聞き出す時は、Tell me your name、とかWhere are you from?などとこちらから手動で入力します。
逆にこちらから名乗ればNPCはプレイヤーの名前を覚えてくれて、次回から会話中には名前で呼んでくれるようになるでしょう。

以下は私の推測になりますが、
例えばあるクエスト進行において"赤いドレスの女"を探す時は、街の人々に一人ずつ"Do you know about a red dressed woman?"などと入力する必要があり、街の人々はプレイヤーが"赤いドレスの女の行方を追っている"というファクターを学習します。
これがクエスト進行のフラグとして機能してくるのではないでしょうか。
例えば赤いドレスの女をかくまっている人がそのウワサを耳にすれば、なんらかのアクションを起こす等といったことです。
NPCはNPCでコミュニティを形成しており、もしあなたが街のガードとイザコザを起こせばその情報が街のガード全てに行き渡り、街中のガードがプレイヤーが要注意人物として警戒するようになる、という要素があることは既に開発チームがハングアウトで言及しています。
昔のアドベンチャーゲームライクな、探偵のようなクエストもあるかもしれませんね。

・ダンジョン

 






これについては少々期待ハズレでした。
もちろんアルファにも満たないバージョンですから贅沢は言えないのですが、ダンジョンの内の様子やトラップやパズルのクオリティは非常にチープなもので、 デモというより内部テストのバージョンの様な印象を受けました。
ダンジョンは全体的に狭く、プレイヤーは暗い通路をひたすら進み、時折スケルトンとカンタンなチャンバラをしつつ奥を目指して行きます。
トゲの飛び出るトラップを回避したりシンプルな松明のパズルを解いて、最奥にいるリッチキングと戦闘。
これまた通常の剣攻撃のみのチャンバラで、スキルなどが発揮されないままリッチキング討伐。
最後の件のホネ製の椅子に座ってデモは終了となります。
今回のデモではクオリティを判断するには尚早ですが、ダンジョン内に置かれている棺はフタを開けることが出来てインタラクティブ性を大切にしていることが分かります。

・戦闘について




戦闘については"UOベースの戦闘を忙しくならないようにした"といった印象を受けました。
通常戦闘は相手をターゲットし近づきます。あとは攻撃スピードに応じて自動的に打撃を繰り返していきます。
これはUOと全く同じですね。
戦闘時にはショートカットキーのインターフェースが下部に表示され、数字キーの1~9までにホットキーが割り当てられるようになっています。
今作のデモではホットキーの欄には何もセットされておらず、使用する場面は確認出来ませんでしたが、おそらくポーションや包帯といった回復アイテムや、各種魔法、特殊攻撃スキル、武器の切り替えなどが割り当てられるのではないでしょうか。
今までのハングアウトで触れられたSotAのポイントは

・アーケードゲームのようなシビアなリアルタイム入力の必要がない
・冒険に出かける前の、スキルや装備の事前準備(戦略性)がモノを言う
・ランダム性や不確定要素が盛り込まれる。(同じスキルセットを持った2人のプレイヤーが同じ敵と戦っても、その結果にバラツキが出る?)
・ラグの影響を受けづらい

といった要素が重要視されているようで、UOの対人戦のような忙しいものにはならないようです。
しかし、今回のデモではこれらのポイントを確認出来るほどには完成してしていない様子。

・まとめ

-クラフト関係やインターフェースは間違い無くUO直系。

-マップは古風なデュアルスケール。ただし、フィールドマップでは木の葉がそよぎ雲は流れ、生物はリアルタイムに駆け巡る。さらにマップ上で交流やランダムイベントの発生が盛り込まれるモダンな味付け。ただのフィールド移動にとどまらず、冒険や旅の雰囲気を損なわない工夫が随所に見られる。温故知新を感じさせる正統進化。

-NPCとの会話も古風な手動式。反応するワードを発見して、さらにそのレスポンスから新たなワードを見つけ出す方式。

-戦闘はまだ未知数。しかし戦略性を重視し、ネートワークラグやプレイヤーの手先の器用さに依存しないコンバットデザインを目指す。

-ゲームエリアマップでのプレイヤーモデルの移動はキビキビしている。しかし慣性や重量感が感じられず、キャラクターモーションはカクカクとしたぎこちない印象。風になびくマントもちょっと動きが不自然か。グラフィックに関してはまだまだテスト段階といったところ。

-グラフィックはハッキリ言えば昨今のゲームと比べると地味。しかし、紅葉した森ではその落ち着いた配色がよくマッチしており、街のマップは高低差を利用し広がりを意識したオブジェクト配置で窮屈さを感じさせない。さらに街の様子からは生活感が感じられ好印象。細かいオブジェクトの設置が進めば、賑やかさにおいては心配無さそう。

-NPCのタイムスケジュールや天候の移り変わり、各種オブジェクトへのインタラクティブなアクセスなど、Ultimaの特徴とも言える世界のライブ感は今回のデモでは検証出来ず。

-マルチプレイ関連のデモンストレーションは無し



ついつい気持ちは急いてしまいますが、今回のデモはアルファのアルファのアルファ、くらいのバージョンなので、まだまだゲームのクオリティを語る段階にはありません。
クラフトやユーザーインターフェースからUOの直系を確信させてくれただけでも、多くのオールドファンは安心出来たのではないでしょうか。
興味が湧いた方は、公式サイトのフォーラムに参加して今後のゲーム開発に対するアイデアの提案や、今回のデモに関してのフィードバックをおこなってみて下さい。

2 件のコメント:

  1. いつも貴重な情報をありがとうございます。
    更新楽しみにしております。

    今回のデモでもっとも興味を惹いたのは、会話システムです。
    Ultima IV-VIが好きなので、それを発展させたような
    SotAの会話システムが非常に楽しみです。

    返信削除
    返信
    1. コメントどうもありがとうございます!

      今回のデモやプレゼンをもう一回通して見てみたのですが、SotAは今までのロールプレイングゲーム(MO、MMO等も含めて)の"いいとこ取り"を究極的に目指しているんじゃないかな、と思ってます。
      nnさんが触れられた会話システムもそうですね。
      昔のゲームのワードの打ち込み、現代の親切な既成文の選択。
      前者の手探り感やインタラクティブ感と後者のサクサク感の中間を取ろうという姿勢が見えます。
      酒場の店主の返答からも、プレイヤーがある程度有効なワードを予想しやすくしようとする努力がうかがえました。

      削除

■過去記事アーカイブ