フォーラムトピック、Explanations on monetization thinking on SotAの全訳です。SotAのマネタイズとして導入されたCOTOについて、運営側の意図を詳しく説明する投稿となっています。
もの凄く簡単にまとめると、
- リアルマネーによるPay to Winコンテンツは無し
- でもプレイ上ちょっと便利なバフ効果はあったりします
- しかし戦闘バランスやPvPに影響するものは絶対にナシの方向で
- 修理に関しては心配するな。というかクラフターのためにも新品買ってあげて(COTO修理にも実質限界あり)
- インフレには徹底抗戦。プレイヤー経済のために。
- RMTにも徹底抗戦。というか胴元が参戦。
- 曰く、COTOは三方一両得
誤訳や間違い等、御指摘いただければ幸いです。
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我々のゲーム開発スタイルが他のプロジェクトチームと比べて大きく異なっていることは、すでに皆さんもご存じのことだと思います。そしてプロジェクト開始初日から、どのように資金を獲得し、そしてどのようなゲーム開発手法を取るべきか、我々はずっと模索してきました。また、こうして完成へと近づいていく度ごとに、長期運営のためにどういったビジネスモデルを採用するか、我々は決断をする必要に迫られてきました。そして、最終的に、我々は新しい資金調達方法を考え出しました。
この草案自体は1か2パラグラフに納まる内容ですが、ここではそれに関する注釈に多くのテキストを割いています。
まず、我々のゴールとして"pay to win"の要素は極力少なくすることが挙げられます。今まで、我々の課金スタイルについての説明するときに、Guild Wars 2を例としてよく引用してきましたが、そのまま採用するには、GW2の課金スタイルはまだまだpay to win要素が強いと判断しました。もしこのスタイルをSotAにそのままもってきた場合、課金により経験値獲得量+50%やクラフトクリティカルチャンス+50%、といった事態が発生してしまいます。プロジェクト当初に皆さんに説明した通り、我々は課金によるバフは"弱く・長く"が基本であるべきだと思っています。我々は"強く・短い"課金バフは、ビジネス的な課金効率こそ良いものの、プレイヤーフレンドリーとはいえないものだと考えています。我々の考える理想の課金バフは、コンスタントにお金を支払うものではなく、一度支払えば"弱く・長く"使えるものです。
今、実装されている1週間のバフ期間がある課金バフは、ほかのバフ効果と重複させることも可能です。また、課金バフといっても、インゲームで手に入るアイテム(COTO)を使ってこのバフ効果を得ることも可能です。このバフ効果を3・4つほど重ね掛けすると、丁度他の一般的なMMOの月額課金額と同等となるでしょう。さらに7つのバフ効果を重ね掛けしたとしても、無課金プレイヤーに比べて"明らかに有利になる"といった事態にはなりません。さらにPvPにおいては、課金によるバフ要素はゼロとなっています。
この課金バフは、修理を少しだけ効率よく行ったり、物を売りいくための時間を少しだけ短縮したりするだけのものです。戦闘においては、一切課金による恩恵は受けられません。
この課金スタイルはプレイヤー経済にも深く関係していますが、この一連の課金を巡る問題について、我々は"Pay to Win"ではなく、ゲームに対する援助・サポートとして、プレイヤーにお金を支払ってもらう方針を貫くということを、ここでもう一度申し上げておきます。
では最初に、(課金要素としての)経験値ボーナスについてお話します。GW2では2時間+50%経験値ボーナスという課金要素がありますが、これは我々にとって、あまりにも短く・そして強力なものに思えます。我々は期間を1週間に延長し、そして10%のボーナスのものを採用します。なぜ10%かというと、レベルアップに必要な経験値は10.5%ずつ増加していくからです。
EXP増加ポーションの効果の説明の例を上げましょう。
あなたのキャラクターが、ゲーム開始直後からEXP増加ポーションの効果がずっと続いていると仮定します。そしてEXP増加ポーションを一切使わないプレイヤーとずっと一緒にパーティーとして活動し、均等にEXPを分け合ったとしましょう。そして、無課金プレイヤーがLV40に到達したとき、あなたのレベルはまだLV41には達していないでしょう。さらに、無課金のプレイヤーがLV80に達した時にも、あなたはまだLV81には達していないのです。この経験値ブースト1ヶ月分(1週間のEXP増加ポーション×4)をリアルマネーを使って購入する場合、その費用は約4ドルとなります。
次に、修理に関するコストについてご説明します。まず、最大耐久値の低下速度は"ゆっくりとしたもの"になることをご承知置きください。それでも使用を続けていくと最終的には最大耐久度はゼロになりますが、そこで我々は新しい装備品を購入するという選択肢のほかに、COTOを使って最大耐久値を回復させる、という手段を用意しました。
COTOによる最大耐久力の修理、というトピックは多くのプレイヤーにインパクトを与えたようです。冒険者たるもの、大切なアイテムはずっと手元において使い続けたいと願っていることでしょう。しかし、クラフター達にとっては、装備品なんてさっさと使いつぶして自分の作ったアイテムを買って欲しい、というのが正直な意見だと思います。こうした相反する要求がある場所に、COTOのシステムが導入されたわけですから、大きな反響があったのは当然といえるでしょう。
細かいデータを使った説明に移る前に、まずはSotAの目指すクラフトシステムについて説明します。SotAの目指すクラフトシステムはWoWのクラフトシステムとは違ったものになります。WoWのクラフトのコンテンツはプレイヤー経済には深くかかわっておらず、実質、ただひたすらに報奨のレア装備を手に入れるために繰り返し作業を消化するだけのものだからです。ドロップ品として登場しない良装備品だけを、クラフトで調達するというわけです。
これは我々の目指すクラフトシステムとは全く違う方向性のものといえます。SotAのクラフトシステムにおいて、最高の装備品はクラフトによってのみ作り出すことができます。良質な装備品を作り出すには多くの手間暇がかかり、そしてそういった良質の装備品はプレイヤー経済の回転において、もっとも大きな役目をもつことでしょう。
クラフターにとって装備品やアイテムの消費の回転率は高いにこしたことはありません。COTOによってお気に入りのアイテムを修理しながらずっと使い続けることができると考えているプレイヤーもいると思いますが、我々は修理するごとに必要なCOTOの数を引き上げていきます(あるいは今後段階的にに修理に必要なCOTOを引き上げていく?)。ですから、最後の最後にはやはりクラフターから新しいアイテムを購入することになるでしょう。
-原文: My expectation is we’ll change it so the number of crowns it costs to
repair gear scales up over time so eventually players will go back to the crafters.
では次に、耐久値とその減少について説明します。我々は耐久力の計算における単位として"Bear Hour"を使用します。bear hourとはなにかというと、a small bearに1時間ずっと殴られた時に減少する耐久力の値のことです(一切のバフ・デバフを無視した場合)。なんだかバカらしいと思われるかもしれませんが、装備品耐久力が戦闘でどれくらい減るか、インゲームでの実測値が必要だったのです。
最大耐久値100の上半身のアーマーが耐久値ゼロに、そして最大耐久度が90に低下するまでにかかるbear hourは25です。そして90まで耐久値を回復させた後、再び耐久値ゼロになるまでに22.5 Bear Hourがかかります。こうして耐久値を回復&ゼロにする、という行為を繰り返した結果、耐久値100の新品アーマーの最大耐久値が20まで低下するのには135 bear hourが必要になります。
ではmid-coreなプレイヤーの場合を例に挙げてみましょう。mid-coreプレイヤーが週20時間SotAをプレイするとして、そのうちの15時間を冒険やPvPに費やしたとします。そしてその15時間のうち5時間を実際に相手と交戦していたとしましょう。これを先ほどのアーマーの例に当てはめると、mid-coreプレイヤーにとって、135/5時間=27時間=アーマーの寿命となります。これならアーマーの耐久値が20を下回るまでに、新しい装備品の購入費を工面したり、COTOがドロップ品として登場するのに十分な時間があるでしょう。
ひとつのアイテムが実戦闘時間で27時間も使えるとなると、アイテムの回転率が悪いのではないかとお考えのクラフターもいると思います。しかし、実際の耐久度の消耗速度は先ほどの例よりももっと速くなります。というのも、大きなダメージを受けるほど装備品へのダメージも大きくなるので、a (small) bearの攻撃力はせいぜい5-8ポイントであることを考えると、実際の冒険において先の例よりももっと装備品が早く傷むのは容易に理解できると思います。
現在の仕様では武器は防具よりもより早く傷む傾向にありますが、これは今後調整され、現行よりも武器は傷みにくく、防具は傷みやすくなる予定です。具体的な数字を上げると、実使用時間で12時間程度が装備品アイテムの寿命になるように検討しています。
冒険者にとってもクラフターにとっても、装備品の寿命はホットトピックであると思いますが、今後も双方にフェアなバランスを目指し調整を続けています。もちろん、ファイナルワイプ後もバランス調整作業は続けられます。
次に、COTOをインゲームゴールドに換金する場合についてお話しましょう。現在の相場である1COTO=2500ゴールドは非常に安い換金レートです。現時点でCOTOをNPCベンダーに売り払うプレイヤーは皆無でしょう。現在COTOはゲーム内ではレアアイテムであり、ドロップの機会も少ないアイテムです。
今回出資特典にCOTOを新たに追加し、ゲーム内のCOTO流通量を増加させました。COTOの使い道は現在3つあります。
まず一つ目は、1週間のバフ効果をもつポーションとトレードできることです。1週間も効果があるので、すぐすぐにはCOTOは消費されないでしょう。
二つ目は、装備品の修理。これも数十時間単位で消費される要素なので、これもCOTOの消費スピードが早いとはいえません。
そして三つ目がNPCベンダーにCOTOを売り払って、インゲームゴールドへ換金することです。
しかし、多くのプレイヤーがインゴールド目当てにCOTOを売り払ってしまうことがないように、我々は調整を行うつもりです。
なぜなら、COTOに固定レートを設定して換金性をもたせると、(リアルマネーで販売した未使用COTOが実際にインゲームゴールドになるかその他のコンテンツに消費されるか決定していないために)、運営側がインゲームゴールド総量の実態を把握することが難しくなってしまい、経済のコントロールができなくなってしまう危険性があるからです。それを避けるためにはCOTOも需給によって価格が決定するようになる必要があるでしょう。NPCベンダーに多くのCOTOが売却された場合、COTOの相場も下落することになります。
我々の意図としては、COTOそれ自体の価値は保証しつつも、インゲームゴールドへの換金性は低く抑えるつもりです(近いうちにゴールドへの換金レートは限りなくゼロに近づくでしょう)。プレイヤー経済にCOTOの相場を委ねることにより、経済システムへの(COTO導入の)悪影響を最小限におさえることにしたのです。また、我々はこの件について、後にもっと詳しい追加の解説が必要だと考えています。
また、プレイヤーAがリアルマネーでインゲームゴールドを買いたいと考えたとしましょう。そこでAはアドオンストアでリアルマネーを使ってCOTOを購入し。そのCOTOを(PC・パブリック)ベンダーを使ってインゲームゴールドで販売します。一方リアルマネーでゲーム内アイテム(COTO)を買うなんてとんでもない、という考え持ったプレイヤーBがいたとします。BはAのベンダーを訪れ、インゲームゴールドでそのCOTOを購入すればいいわけです。
AによってもBにとってもWin-Winな関係が成立します。このシステムにおいて、プレイヤー間での(=胴元を通さない)リアルマネーの取引は存在しません。さらにこのシステムは、マクロ経済(インゲームゴールドの流通量)に影響を与えない仕組みにもなっています(※上記の例ではインゲームゴールド自体はBからAに移動しただけで、総量が増えたわけではないから。もしCOTOが直接インゲームゴールドに換金可能であるなら、Aの持ち金が増える分だけゲーム内経済はインフレになる)
ここまで長い文をお読み下さってありがとうございました。このSotAプロジェクトにおいて変わらないことは"変わり続ける( the only constant on the project is change)"ということだけです。今後もよりよいシステムの完成を目指し、必要があれば変更を行っていきます。
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#プレイヤー相場に委ねるといいつつも、COTOのリアルマネーでの価格設定が、事実上のインゲームゴールド相場価格を決定してしまう件について触れられてないのが気になるというか、意図的に知らんぷりなのはやはり大人の事情なのでしょうか。
##MMO用語でいうところの"時給"が本当にリアルマネーに換算できたりするようになるので、メタネタはUltimaシリーズの十八番とはいえそこまで徹底しなくてもいいだろと小一時間
###でも、定額課金無しで普通に遊べる、という配慮は個人的に非常にありがたいところです。UOは家リフのためのゾンビアカウントが多かったと聞くので…。
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