戦闘システムの詳細について

SotAのテクニカルディレクター、クリスが公式フォーラムに戦闘仕様の詳細について投稿しました。
以前からカードゲームコンバットからヒントを得た革新的な戦闘になる、とリチャードは語っていましたが、実際の仕様は一体どんな風に仕上がっているのでしょうか?

事前情報では、
・デバイスの操作技術に左右されない
・ネットワークラグに強い
・実際の戦闘よりも戦闘に入るまでのデッキ構成と、戦闘状況(出現する敵や地形・気象条件)の想定が重要
・アーケードゲームのような忙しくかつ正確な入力が必要ない
・ランダム要素を導入

といったことが挙げられていました。
では実際にクリスの投稿した戦闘システムの骨子案を見ていきましょう。
https://www.shroudoftheavatar.com/forum/index.php?threads/lets-talk-about-combat.4094/
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Shroud of the Avatarの戦闘システムについて説明します。

まず、戦闘に入るとプレイヤーは装備している武器で自動的攻撃を行います。
剣、シールド、ワンドなど、武器となる装備は様々あります。
また、相手の数が1体ならば、大概このオート攻撃のみで倒すことが出来るでしょう。

戦闘状態になると戦闘用のツールバーが表示されます。そして戦闘が終了すると戦闘用のツールバーは自動的に非表示になります。
また、非戦闘時の通常状態の時は、ノーマルなツールバーが表示されます。
このノーマルツールバーは他のゲームと同様、生産系のスキルやアイテムのショートカットとして機能し、戦闘状態であってもAltキーでいつでも表示させることが出来ます。
オプション設定で通常のツールバーをいつでも表示出来るようにするつもりです。

では、戦闘システムの詳細を語る前に、用語の定義について説明させて頂きます。

・スキル
単純に、戦闘中にツールバーに表示される全ての要素をスキルと呼称します。
戦闘スキル、マジックスキル、ポーション等の消費アイテム、アビリティなど、これら全てがここでの説明でいう"スキル"になります。

・デッキ
プレイヤーが組み上げた1つのスキルセットのことをデッキと呼称します。
また、システム側が状況に応じてプレイヤーにデッキを提供することもあります。
1デッキあたりに組み込めるスキルの数はレベルに応じて上昇し、レベル1の時は10程度、レベル20で30程度になります。
プレイヤーは複数のデッキを用意することが可能で、非戦闘時にいつでも切り替えることが出来ます。
また、戦闘時にもデッキの切り替えは可能ですが、数秒間何も出来なくなるペナルティがあります。

・スラッグ
デッキの中に実行しても何も起こらないスキル、"スラッグ"が表示されることがあります。
このスラッグの表示は様々な状況によって起こります。
状態異常の時、そのスキルの使用条件を満たしていない時、デッキに組み込めるスキル数を超過した時などにスラッグが表示されます。
例えば、剣のスキルをデッキに組み込んでいる時にメイスを装備してしまうと、その剣のスキルの表示はスラッグになってしまいます。

・コンボ
複数のスキルを組み合わせて、違うスキルとして使用することが出来ます。
多くの場合、組み合わせる前の個々のスキルより強力で、まったく新しい効果を発揮します。

・ノーブルスキル
ノーブルスキルは他のスキルと組み合わせることが出来ない単独使用専用のスキルです。
いくつかのスキルは常にノーブルな状態にありますが、ロックスロットにスキルを配置した時など、状況次第では非ノーブルスキルがノーブルな状態になることがあります。
また、ノーブルスキルの使用は秘薬やフォーカス値、クールダウン時間など、何かしらコストの消費を伴います。

・フォーカススキル
デッキの構成や機能に変化を起こすスキルのことを言います。

・ロックスロット
周期的にスキルスロットのスキルがフェードアウトして消え、新しいスキルがディール(配布。トランプでいうカードが配られること)されますが、フォーカススキルにポイントを割り振ることで、あるスキルを装備したスキルスロットを固定することが出来ます。
ロックスロット内のスキルは常にノーブルな状態で、他のスキルと組み合わせてコンボを使うことは出来ません。

用語の説明は以上です。
では戦闘の流れについて説明します。

まず、戦闘状態に入るとコンバット・バーが表示されます。
バーには6~12程のボタンがありますが、スキル構成やプレイヤーのレベルによってその数は異なります。
バーのボタンの部分にはスキルが表示されますが、それは10~30秒程度でフェードアウトして消えてしまいます。
スキルが表示されているボタンをクリック後ドラッグしてターゲットを指定することにより、スキルを使用することが出来ます。
また、ホットキー(1~10、+、-キー)を押したあと、スペーキーでスキルを使用することも出来ます。
コンボを使用する場合は、組み合わせるスキルの1つめをドラッグし、2つめのスキルの所でドロップします。
ホットキーを使用する場合は、組み合わせるスキルのホットキーを順番に押していきます。
コンボの組み合わせが終わると、コンボスキルは全く新しいスキルとして機能し、時間経過によってバーからフェードアウするまで使用することが出来ます。
コンバット・バーを占有しているスキルは、バー外にドラッグ&ドロップすることにより捨てることが出来ます。スキルを捨てると占有していたスロットは空きスロットなり、フェードアウトを待つよりも、新しいスキルがディールされるサイクルを早めることが出来ます。

フォーカススキルの中には、コンバット・バー内のスキルの入れ替わりサイクルを早めるものもありますが、逆にサイクルを遅く(バー内にあるスキルのフェードアウト時間を長く)するものもあります。
バーのスキルスロットがいっぱいになってしまうと、使用したり捨てたりして空きを作らない限り新しいスキルがディールされません。
もしスキルのディーリングレート(スキルの入れ替わりサイクル)が遅い場合は、積極的にスキルを使用したり捨てたりして、スキルがディールされる空きを作っておく必要があります。
ディーリングレートの高低には、それぞれ違った利点があります。
自分プレイスタイルや選択したデッキの構成に合わせて調整する必要があるでしょう。

レベルを上げたり、フォーカススキルへスキルポイントを振ったりすることにより、プレイヤーはロックスロットを獲得することが出来ます。
このスロットはスキルシャッフルに影響を受けないスロットですが、ノーブルスキルの扱いになり、コンボに組み込むことが出来ません。
ロックスロットのサイクル時間は、どのスキルをロックスロットに割り当てたかによって変わってきます。

■フォーカススキルのスキルツリー:


Instinct(直感):

1スキルレベル上がるごとにロックスロットの数が1増える。
また、1デッキ毎に組み込めるロックスロットの上限も増える。
ロックスロットの数は最大で総スキル数の1/3まで増加することが出来る。
また、コンバット・バーにロックスロットを組み込む場合は、通常のスキルスロット(ダイナミックスロット)と入れ替える形で組み込まれる。


Epiphany(洞察):
1スキルレベル上がるごとに、戦闘開始時にディールされるスキル数が2ずつ増加する。
もしこのスキルのレベルがゼロの状態で戦闘を開始した場合、戦闘開始時にディールされるスキル数はゼロになる。ただし、ロックスロット内にあるスキルを除く。

Versatility(多才):
1スキルレベル上がるごとに、総スロット数が1増加する。
プレイヤーは初期状態で6スロットをもっている。
また、プレイヤーのレベルが10になると無条件で1スロット増加し、レベル20になった時にも1スロット増加する。
総スロット数を最大の12にするには、このスキルを4レベル上げる必要がある。

Second Guess(推測):
1スキルレベル上がるごとに、プレイヤーのデッキ内の上位5つをランダムシャッフル出来る回数が増える。

Spark of Brilliance(冴え):
通常スラッグはスロットの邪魔になるだけの存在だが、このスキルを用いれば任意のスキルをスラッグとコンボさせ、フェードアウトするまでの時間を長くすることが出来る。
1スキルレベル上がるごとに0.2秒増加し、最大で1秒間まで追加出来る。

Recollection(記憶):
1スキルレベル上がるごとにスキルのフェードアウト時間が0.1秒増加する。

Brainstorm(ひらめき):
1スキルレベル上がるごとにスキルのフェードアウト時間が0.1秒減少する。

Concentration(集中):
1スキルレベル上がるごとに、スキルを他のスキルと組み合わせられる回数が増え、さらにそのスキルのフェードアウト時間を最大10秒間まで延長出来る。
また、コンボスキルはノーブルスキルの状態にはならず、さらに複雑なコンボを作ることが出来る。

ここまで用語解説を読んで下さってありがとうございます。
戦闘システムというゲームのコア要素について、今回の仕様公表に至るまで我々も色々と取捨選択をしてきました。
各ユーザー様々な御意見をお持ちでしょうが、我々は皆様からフィードバックを常に歓迎し、重要視しています。
ぜひ議論にご協力下さい。

■戦闘システムFAQ:


Q:もしデッキシステムが結局ボツになった場合、次善の戦闘システム案は考えているの?

そうなってしまった場合は非常にカオスなことになりますね。
その場合は、デッキシステムと既存のロールプレイングゲームシステムの折衷案を採用することになるでしょう。
全てのスキルをノーブルスキルの扱いにすることも考えています。
それでもダメならば、マジックスキルにコンボシステムを採用してバランスを取ることにします。
高コストで強力なコンボスペルを用意し、マジックスキルを既存のゲームシステムに近い強力な存在にするのです。
いい方を変えれば、いつでも既存のシステムに切り替えることは可能なのです。
しかし、我々は過去の焼き直しよりも、革新的なシステムの採用を志向しています。

Q:複数のデッキを作ることは可能?

はい、もちろん出来ます。
複数のデッキの構築は、デッキシステムの特徴的な部分ですね。
プレイスタイルに合わせてデッキを切り替えることが出来るのはもちろん、PvPにおいてはデッキの切り替えによって、タンク・ヒーラー・DPS(ダメージを稼ぐ役割)・状態異常担当など、状況に応じて様々な役割をこなすことが出来ます。

Q:戦闘中にデッキ切り替えは可能?

はい。しかし、戦闘中の切り替えにはコストが伴います。
フォーカス値の大半を消費し、さらに切り替えには1~2秒の時間が掛かります。
戦闘中のデッキ切り替えのコストを軽減するスキルを導入し、デッキ切り替えを前提としたプレイスタイルが実現出来るかどうか、現在議論をしていますよ。

Q:いつこのデッキシステムを使った戦闘を試すことが出来るの?

リリース4のテスト期間に実際にプレイすることが出来ます。
2014年の3月になるでしょう。
戦闘については、その骨格はすでに出来上がっていて、戦闘スキルの数も決まってきましたが、その一方でまだまだしなければならない仕事がたくさんあります。
ビジュアル面の洗練やデッキシステムの為のユーザーインターフェースの構築、スキルシステムのブラッシュアップ等もやらねばなりません。
戦闘コンテンツをクオリティの高いものにするには、優れたユーザーインターフェースと洗練されたスキル成長システムが同時に必要なのです。
これら全てをアルファテストのリリース4までに完成させる予定です。

Q:戦闘中はデッキのインターフェースをずっと見てなきゃいけなくなるのでは?


これはバランスの問題ですね。
ロックスロットのスキルを重要視すると、コンボを繰り出すチャンスを得にくくなります。
我々はコンボスキルを意図的に出しづらく、また強力なものにしています。
コンボを狙うことに大きなリターンをつけて、決まった時はプレイヤー間で「やったぜ!」という達成感を得られるようなものにしたいと思っているのです。

Q:コンボってなんだか凄そうだけど、2つより多い数のスキルは組み合わせられないの?

3つ以上の組み合わせも可能です。
組み合わせて生成されたコンボスキルは新しい単体のスキルとして認識されるので、他のスキルと組み合わせることが可能になります。
例えば、ファイアボールとファイアボールを組み合わせると、ファイアストームというコンボスキルが新しく生成されます。
さらにこのファイアストームにファイアボールを組み合わせると、ファイアボルテックスというさらに新しいコンボスキルが生成される、という具合になります。

Q:戦闘スキルは戦闘中以外にも使えますか?

ええ殆どの戦闘スキルを戦闘中以外にも使用することが出来ます。
しかし例外もあります。
例えば、デーモンコントロールの魔法は、戦闘中にしか使えません。

Q:ロックスロットは総スロット数に影響を与えるものですか?

通常のスロットの代わりに導入することが出来るスロットです。
通常のスロットに追加することは出来ません。
また、デッキごとにロックスロットに割り当てるスキルを変えることが出来ます。

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ついに戦闘の仕様が公開されました。
事前の情報から想像していたものとは少し違っていたので、あまり個人的に肯定的には受け止められません。

戦闘スキルはトランプのポーカーのように、ランダムに配られた手札(スキル)を使って発動するものになるようです。
ランダム性を取り入れる、といっていたのはトランプのカードシャッフルとディールの様な概念なのでしょうか。

しかし、HPが減っている状態でヒールを使いたいと思った時に、下のコンバット・バーからヒールのスキルアイコンを見つけて対応するホットキーを押す、という作業はただのストレスにしかならないのでは…?
ロックスロットにメインの攻撃スキルや回復系のスキルをセットすればその問題は解決出来るかもしれませんが、今度はロックスロット搭載が前提のスキル構成を強制されることになります。
それをさらに解決するのがマルチデッキシステムで、デッキを適時切り替えて、となると今度は自分が把握するデッキやスキルが増えて管理が面倒になるのでは…と思ってしまいます。
例えば装備品を変えた時に、その都度手持ちのデッキ全てを点検してデッキとスキルの最適化をしなければならなくなってしまいます。
また、ホットキーに対応するスキルが時間ごとにシャッフルされランダムで変化する、というのにも抵抗があります。
これはリチャードが以前言っていた既存のゲームの問題点、"ユーザーがインターフェースに遊ばれている状態"そのものを再現してしまわないでしょうか。
常に使いたいスキルを常にコンバット・バーの中から探し出さねばならず、戦闘画面よりバーを見ている時間の方が長くなりそうです。さらに移動による位置取りが重要となると、非常に忙しい作業になりそう。

シンプルに戦いたい人はロックスロットを増やして堅実な戦略をとることも出来るかもしれませんが、最大でもロックスロットは全体の1/3までしか搭載できません。
残りの2/3のスキルはランダムシャッフルで常に入れ替わるので、使いたい時に使いたい技が使えない、という事態は避けられないようです。
おそらくこのトランプのようなシャッフル&ディールのシステムはコンボシステムと深く関連していて、ポーカーでいう役の成立=強力なコンボ技の発動、という位置づけになっているのだと思います。
コンボを発動するにはめまぐるしく変わるバー内のスキルスロットを注視し、全て揃ったタイミングで該当するホットキーを間違わずに押す必要があります。もしブラインドタッチが出来ないと、コンバット・バーを見てスキルの状況を把握し、手元のキーボードを見ながら自分と敵の体力や位置関係を調整しつつ、さらにスキルの発動のタイミングを窺う、といったような非常に忙しい作業になりそう。

しかし、これを新しいRPGの戦闘システムとして歓迎するか、それともただの不便な仕様として切り捨てるかは、実際に動かしてみないとなんとも言えないですね。
なんにせよ、個人的にはユーザーの作業量やインターフェースへの注視時間が増えるのは歓迎出来ません。

ちなみに私はUOの対人戦はからきしだったので、操作が単純な戦士タイプのキャラを使い、主に包帯を巻き付けながら相手に張り付きポーション片手に毒刀でメッタ斬りにするという、非常にシンプルな戦法をとっていました。
PKの多くはハルバードと攻撃魔法を器用に操り短時間に高いダメージを叩き出すタンクメイジタイプで、彼らには随分泣かされたものです。
しかしこちらも相手のマナが切れるまで粘った後、刀攻撃の連打で毒によるプレッシャーを与え、相手を仕留めるまではいかないもののなんとか追い返した場面も少なくありませんでした。

SotAのデッキシステムがこういった私のような不器用なユーザーでも、やりかた次第ではシンプルで効果的な戦略が取れるような仕様であってほしいと心から願っています。
またSotAを楽しみにしている日本のユーザーのみなさんも、提案出来ることがあれば公式フォーラムでぜひ発言してみて下さい。

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